第37回(個人4回目)ホノルルマラソンを終えて


大好きな
有森裕子さんと一緒に走りました

なんてね


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今年も恒例と言っていいのか 4回目のホノルルマラソンを無事、完走する事ができた。
気になっていた大会参加者の減少も昨年同様、登録者が23,232人(前年比-237人)だった。
リーマンショックの昨年(’07→’08)は減少人数がマイナス4,621人だったので更なる今年の景気悪化でとても気になっていた。
自分自身の継続の難しさも含め参加に対するハードルが上がったのではと思っていた。
しかし今年スタート地点に立ったランナーは昨年同様20,609人。
健康・マラソンブームが不況を吹き飛ばした感がある。
これも注目すべき点だ。
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そして完走率が高いのがホノルルマラソンの最大の特徴でもある。
理由は、ランナー本人に完走の意思がある限りゴールで待つというコンセプトだからだ。
あきらめなければゴールできる。
初心者に最適なマラソンと言うことだ。
本人の気持ち次第で成功体験ができる。
これがアロハスピリッツ。
制限を設けず本人の意思を受入れるという姿勢だ。
そしてレースの結果はTOPランナーがケニア人で2:25:41。
最終ランナーが日本人12:58:40。
芸能人では恒例の長谷川理恵さん、安田美沙さん、前園さん(元日本代表サッカー選手)、
残念な事故になってしまった片山右京さん(元F1ドライバー)も直前に走っている。
当日の天候は、快晴。
2年連続の雨から一変して快晴だった。
今回わたしは、ひとりでの参加。
現地で経営者の勉強会の大先輩のグループ7名に合流した。


2つの目標


気になる松井さんの結果だが今年も見事完走。
記録更新!
連続出場記録とタイム更新記録の両方が更新出来た。
実に希望目標タイムより1秒早かった。
しかし最後4kmが本当に苦しかった。
ギリギリのスレスレ自分との葛藤の中、達成した結果だった。
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そしてこのタイムは昨年より43分、4年前の初参加から丁度1時間短縮できた。
これで順調に50歳アスリート計画が進行している。
50歳アスリート計画とは、41歳から始めたマラソンを大人の遠足レベルから徐々に本格的なものにして50歳時点で颯爽と4時間台で走る50歳アスリート計画を4年前に立てた。
我々レベルが4時間台で走るのはかなり大変。
持久力のある30代の女性たちはコンスタントなトレーニングで走る人も時々見受けるが
40歳を過ぎた我々男子はちょっとのトレーニングでは走ったり維持したりはできない。
そして50歳から59歳まで頑張って4時間台を維持して走り60歳からはタイムを気にせず仲間とゆっくり走るマラソンを続けたいと決意している。
そして今年は、もうひとつ目標を立てていた。
泣ける経験をすること。
これも達成できた。
この年になると極限状態で本気でやっていないと簡単には泣けない。
今年も走りながら泣いた。
2度も泣いた。
声を出して泣いてしまった。
なんと幸せだろう。
泣けるのは予想以上の出来事があったからと言える。
目標タイムの達成は出来ると思っていたので涙は出ない。
しかし、極限状態で走る中に起きる自分の変化は予想をはるかに上回る。
それがたとえ小さな事であっても感性が敏感になり本当に感動する体験になる。
きっとこれを味わいたくて毎年参加するのだろう。
全部吐き出し極限状態でしか向かい合えない自分の何かを。
なんで泣けたかを説明する前にどうして1年で43分、4年で1時間も短縮できたかを紹介してみたい。


タイム短縮の3要因


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元のタイムが遅かったというのももちろんあるがそれだけではない。
30代は若い気分で暴飲暴食でろくな運動もしなくなり体力の低下は想像以上であった。
また、マラソンは私が依然していたサッカーなどのスポーツとまったく体の使い方が異なる。
サッカーは瞬発力優先のスポーツ。ダッシュやキック。
それに対してマラソンはじっくり継続して体を使うスポーツである。
途中ダッシュなんてしたら最後その反動で動けなくなる。
今年も前園選手が走ったが彼は私より遅いタイムでのゴールだった。
彼も4年目である。
今回の目標達成には3つの要因があった。
①昨年走り終わった時点で来年は本気でトレーニングしないと行くことすらできないし記録が更新できないと悟った
②1回に30km以上のトレーニングを取り入れた。前回までは20kmが最大だった。
③科学的トレーニングと実践を行った

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まずは①。
昨年も結構本気で走った余力などなかった。
昨年の準備強化期間は2カ月半。
それ以上やらないと絶対に体力は戻らないと思っていた。
しかし今年は諸般の事情で朝は早く起きて運動をしていたがランニングは取り入れられなかった。
その結果 ③の科学的トレーニングを取り入れた
②のこれも科学的トレーニングの一環だがマラソンの世界では良く30kmの壁とかいう。
30kmを過ぎると極端にペースダウンするのだ。
これは体の中のグリコーゲンが枯渇して体が動かなくなるせいだ。
これは普段そんなにグリコーゲンを使う事が少ない生活下ではそれ以上貯める準備が体に出来ていないせいである。
その為30km以上を経験し事前にグリコーゲンを枯渇させることでグリコーゲンをためる組織を大きくする作用があるからである。
今回の実感では事前に20kmを3回走るより30kmを1回走る方がはるかに効率良くレースに臨めると実感している。
そして③の科学的トレーニングと実践だが、今年は話題の加圧トレーニングを取り入れてみた。
と、言っても格安体験レッスンのショートバージョンを2軒はしごし合計1ヶ月間に6回しかやっていない。
気になる費用は入会金、60h×4回分、手足締めて37,000円。
とても親切でクレバーなトレーナーとも出会えた。
加圧トレーニングとはここ3~4年で急速に普及しだしたトレーニング方法。
理屈は腕と足の付け根4本にバンドを巻きつけ一定の圧力で締めつける。
100%締めてしまうと血が止まるので止まらない程度に締めるのである。
これにより脳がきつい運動をした状態と錯覚を起こし成長ホルモンの分泌や筋肉をつける様に急速に指示をする。
バンドを締めた状態で30分程度運動するだけで驚くような運動効果が得られる。
持病や悪かった部位も良くなる事が多々あるそうだ。
締められる事で毛細血管が発達し体全体が活性化する。
残り僅かのトレーニング期間ゆえに記録更新をかけてこれを採用した。
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その結果、僅か6回のトレーニングで歩かず走れる距離が倍増した。
驚くような効果。
しかもトレーニング翌日は目覚めも良く不思議なくらい頭がすっきりとしている。
なので結果を楽しみに今回のマラソンへ挑んだ。
そして見事成果を実感した。
少々料金は高いが行かないジムにお金を払っている忙しい方にお勧めのトレーニング方法だ。


30kmを過ぎたドラマ


話は戻って、泣けた経験。
ひとつ目は、13歳の本気のファイトを見たときだ。
合流したグループに13歳中学1年生テニス部の男の子がいた。
お母さんと1歳年下の弟の3人で参加していた。
彼は、30km過ぎまで私の前を走っていた。
私は30kmから毎年スパートをかける。
しかし気持ちはハイになるが体が附いて来ない。
そんな時、長く緩やかな上り坂をガードレールにつかまりながら必死で前に進もうとする若者がいる。
背はすらりと高いがまだまだキャシャで倒れそうな男の子。
彼が自分の足をさすり引きずりながら精いっぱいの力を振り絞って前に進もうとしている。
そしてそれが何を隠そう我がグループの男の子である。
まだまだ人生経験の浅い彼が必死で前に進もうとゴールを目指す姿を見たら涙が止まらない。
声をかけるが声にならない。
私は自分の感情を抑え「自分の足を信じて一緒に走ろうって頼んでごらん」
私も精一杯の力で彼に声をかけた。
全力で前に進もうとする姿を見たとき彼の一生懸命さが本当に胸に刺さった。
13歳で母と離れひとりで彼はきっと力強い親離れが出来た瞬間だったのではないだろうか。
声をかけた私に必死で付いて来ようとする彼をなだめ、私はまた記録への挑戦に私もひとり旅に出た。
実はその僅か10分前にも自分で泣いていた。
最高のパートナーを見つけたのだ。
何もマラソン中に新しい彼女が見つかった訳ではない。
内なる最強のパートナーを発見したのだ。
それは、誰か。
それは、自分自身である。
自分の最大のパートナーであり支援者は自分自身だと実感した瞬間であった。
暑くキツイマラソンを通して足、腕、すべてのパーツが私を支えゴールへ導こうとしている。
これは、まぎれもない自分自身である。
それは潜在意識だと言う人もいる。
でもこの体が自分を支えゴールに向けて一生懸命に支援してくれている。
私が決めた目標を達成するためだけに本気で付き合ってくれている。
物凄く忠実で信頼できる一番のパートナーが目の前にいると思ったら涙が止まらなくなった。
冷静な人から見ればばかげているかも知れない。
でも極限状態では物事の捉え方が一変する。
そしてそれに気づかなかった自分に涙が出る。
気づけた自分に嬉しくなる。
足が悪い。ひざが悪い。
人のせいにばかりしていた私は、自分自身というパートナーの存在を見過ごしていた。
「スポーツ選手が良く膝と相談して」というのはこの事だと実感した。
実はマラソンの前日ホノルルマラソン協会主催のマラソンセミナーに参加した。
その際、シンガーソングライター高石ともや さんの話を聞いた。
彼自身も大のマラソンオタク。
今回でホノルルマラソン33回目。
今年からホノルルマラソンの最多記録の持ち主になったらしい。
彼が完走する秘訣を教えてくれた。
それは前日にお風呂で足の指一本一本まで丁寧にあらってあげなさい。
そして「いつもすまんなぁ」「ありがとう」と声をかけてみろと言う。
パートナーとは言っていないが大切に扱って見ろというのだ。
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ある時、彼を知るひとりの年を召された女性がマラソンのスタート前に横にいて
「この足と膝が言うこと聞かん。どうしたらいいか?」と聞かれたそうだ。
そんなとき彼はこう答えたそうだ。
「ひとつだけ方法があるよ」
「足にね、相談するんだよ。」
「そちらの事情もあると思いますが、なんとか相談に乗ってもらえませんか」
「ゴールまで一緒に付き合って貰えませんか」
「そうするときっと助けてくれるよ」

そう答えたそうだ。
そんな事もあり私の中で自分の中で最高のパートナーの存在に気づけた。
マラソン参加に際してここまで来れたのは確かに社員さんや家族のお陰だ。
それが大前提。
でもいつもそばにいて支えてくれている自分の体を忘れているではないか。
これは単なる自分のパーツではなく最高のパートナーを位置づけた瞬間 愛しくてそして申し訳なくて涙が出来てきた。
ちょっと恥ずかしかったが泣いた。
みんな極限状態を戦っている。
座り込む者、必死で走り続ける者。
みんな精いっぱい生きている。
これが30km過ぎのドラマだ。
そして私も攣りかけた足にお願いをしてゴールを目指した。


25マイル(40km)からの
炎のラストスパート


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しかし、マイル毎のペース表を持って走る私は大きな誤算に気づく。
ゴールに向けて少しずつ貯めてきた余力タイムの貯金がない。
しかもなぜか20~25マイルの計算が今までよりタイトだ。
7分あった貯金はいつの間にか借金6分。
このままでは目標タイムが達成できない。
しかもペースを上げようとすると足が攣りついて来ない。
もしここで無理をすると止まるはめになる。
どうしよう。上げれば限界。
下げれば達成が遠のく。
究極の選択。
良し、ラストダッシュを25マイル(40km)からしよう。
25マイルまではダイヤモンドヘッドの上り坂。
ここで勝負すると足が止まる。
自分を信じて25マイル過ぎの下り坂に入るまで我慢しよう。
最後、力の続く限り全力で走ろう。
それでダメだったらなんて考えるのも辞めよう。
そうは言うものの借金は減らずダッシュすることがどこまでできるのか残り1.5マイル(約2km)をダッシュできるか?
色々考える。
そして最後の25マイルを過ぎる。
ダッシュ開始。
目標達成には今までの倍のスピードの維持が要求される。
足が動いている。
行けるかもしれない。
しかし、今度は息が続かない。
苦しい。止まろうか。ペースを落とそうか?
イヤイヤ最後の直線も1kmある予断を許さない。
苦しいけど行くしかない。
心拍計の数値が私の最大心拍数が187のはずが200を超えている。
どっちが壊れているのか分からない。
進むしかない。
目標タイムまであと58秒まだゴールは遠い。
うううううううううううう~。
ゴール5:55:56。
5:55を達成?
自分の時計を疑う。
公式記録は5:55:54.
なんとか達成できた。
すごい。
6分の借金が今まで走った事のないペースで返せた。
人間て(俺って)すごいなぁ。
そんな瞬間だった。
しばらく動けなかったが記念撮影を終えて仲間を待つ事にした。
これが今年の私のホノルルマラソンでした。
来年は少し仲間を誘っていこうと思う。
これを読んでいるあなた今度はあなた番かもよ。
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片山右京さんのブログ:吉野家の阿部社長とゼンリンの林 会長と一緒に走ったようだ。
http://ukyo-katayama.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/post-9d74.html


■ホノルルマラソン 2009年 大会結果報告
■ホノルルマラソン JALオフィシャルサイト


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